【パソコンが人質に!?】身代金を要求するウイルス、ランサムウェアから自分を守る方法

うちは規模も大きくないし、ハッカーに狙われるはずがないよね。。。?

もしそうお考えなら、今すぐその認識をアップデートする必要があります!

最近、日本を代表する企業が相次いで「ランサムウェア」の被害に遭い、その衝撃的な被害内容が明らかになりました。

・KADOKAWA(ニコニコ動画)の事例:
 2024年6月、サイバー攻撃により「ニコニコ動画」などのサービスが完全に停止。
単にサイトが見られないだけでなく、社内の経理システムや編集業務もストップしました。
さらに、犯人グループから「盗み出した個人情報をバラまくぞ」と脅され、実際に取引先との契約書や社員の個人情報がネット上に流出するという、最悪の事態に発展しました。

アサヒグループジャパンの事例:
 2024年秋、グループ内の複数社でシステム障害が発生。
この影響で、商品の出荷が一時停止したり、受注確認ができなくなったりするなど、リアルな物流に大きな打撃を与えました。
「スーパードライ」などの身近な商品が、サイバー攻撃によってお店に届かなくなる寸前まで追い込まれたのです。

実は今、こうした大企業以上に、「守りが手薄な中小企業」が犯人たちの格好のターゲットになっています。
今回は、会社の存続をも揺るがすランサムウェアの脅威と、経営者が知っておくべき防衛策を解説します。

そもそもランサムウェアがわからない

まずはランサムウェアとは何か、について説明していくよ!

目次

【事件発生】ある朝、会社に行くと仕事が一切できない

想像してみてください。
月曜日の朝、出社してパソコンを立ち上げると、画面が真っ赤になり、英語で不気味なメッセージが表示されています。

PCが動かないと仕事にならない!!

・見積書も請求書も開けない
顧客名簿や過去の取引履歴が見られない
工場の機械やネット注文の受付けが動かない

「元に戻してほしければ、期限内に300万円分のビットコインを支払え。さもないと、盗み出した御社の顧客データをネットに公開する」という二重の要求。

これが、今のランサムウェアの恐ろしい手口です。

恐ろしすぎる。。。

ランサムウェアとは?(正体は「データの誘拐犯」)

ランサム(Ransom=身代金)とソフトウェアを組み合わせた言葉です。

犯人は会社のネットワークに侵入し、業務に必要なあらゆるデータに「勝手な鍵(暗号化)」をかけて使えなくします。
さらに最近では、「データを盗み出してから、人質に取る」という手法が一般的です。

会社という建物を人質に取るのではなく、「ビジネスの命であるデータ」を人質に取って身代金をゆすり取るデジタル誘拐犯なのです。

でもウチみたいな会社は狙われないでしょ。。。?

その感覚はもう変えないとまずい!

なぜ「中小企業」が狙われるのか?

『情報漏洩、ウィルス被害は大企業の話でしょ?』

これはすでに過去の話。
大企業の方がニュースになりやすいため多くの人の関心を惹きますが、昨今では中小企業が狙われています。

犯人が大企業を狙うのは、高額な身代金が期待できるからです。
一方、中小企業が狙われるのは、「簡単に侵入できるから」です。

「うちは狙われない」という油断(安価なルーターや古い設定のまま)
・OS(Windowsなど)のアップデートを放置している
・社員のITリテラシー教育に手が回っていない

犯人からすれば、セキュリティの強固な大企業を1社落とす苦労をするより、対策が不十分な中小企業を100社同時に攻撃する方が、効率よく、かつ確実に「稼げる」と考えています。

また大企業を攻撃するための足掛かりとして、中小企業を『踏み台』にする攻撃も存在します。

狙われたときはどうしたらいいんでしょうか。。。

身代金を払えばいいや!とは思わないように!

万が一の際、「身代金を払う」のは最悪の選択

「数百万円払って仕事が再開できるなら……」と考える経営者もいますが、これは絶対にNGです。

・データが戻る保証はない: 相手は犯罪者です。お金を払っても無視される、あるいは「復旧ソフトが壊れていて直らない」というケースが多発しています。

さらなる攻撃を招く: 「あの会社は脅せば払う」という情報が闇サイトで共有され、別のグループから繰り返し狙われることになります。

・社会的信用の失墜: 犯罪組織の資金源に協力したとみなされ、取引先からの信用を完全に失うリスクがあります。

被害に遭った時は慌てずに、自分の行動が最善か、しっかり考えて行動しよう!

【経営者が主導すべき】会社を守る3つの鉄則

まずはこの3点を徹底してください。

鉄則①:全社員への「怪しいメール」注意喚起 
アサヒグループの事例でも、発端は社員のパソコンへのウイルス感染でした。
「請求書の送付」や「不在通知」を装った偽メールをうっかり開かないよう、社内での教育を徹底してください。

鉄則②:ネットワーク機器やサーバーの「脆弱性」を放置しない 
古い接続機器(ルーターなど)の放置が、犯人の侵入口になります。常に最新の状態を保ちましょう!

鉄則③:バックアップを確保する 
これが最後の命綱です。
常にパソコンに繋ぎっぱなしのハードディスクだと、バックアップまで一緒に破壊されます。
定期的に物理的に外して保管するか、履歴が遡れるクラウド保存を検討してください。

まとめ:セキュリティ対策は「経費」ではなく「投資」

ランサムウェアに遭えば、数週間、最悪の場合は数ヶ月も仕事が止まります。
その間の利益損失や信頼失墜は、身代金よりもはるかに大きくなるでしょう。

「うちは大丈夫」を卒業し、今日からできる対策を。

御社の「大切な信用」と「従業員の生活」を守るのは、経営者であるあなたの決断です。

他人事にせずにしっかり対策していきます!

まずは自社の見直しから始めよう!

目次